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新採教員の時、久礼中学校（高知県高岡郡）へ研修に行きました。その時の校長先生が浜田 俊雄先生（バンコク・ マドリッド日本人学校への2回の派遣）、 指導教官が松尾 孝雄先生（ジャカルタ日本人学校：土佐山村中学校 校長） というお二人に出会い、強烈な影響を受けました。派遣者数の少ない 高知県でこのような出会いは、 稀な事でした。（松尾 校長先生は今でもお元気ですが、当時バリバリの青年教員でした。）
Link H28/05/01
日本人学校を希望し、願書を提出したのは、実に単純な動機でした。
第１には、生まれも育ちも高知、兵庫教育大学の２年間の研修以外は、高知暮らしだったので、南国土佐以外の世界に 触れてみたいと思ったからです。
第２には、家内が専業主婦のため、私一人の給料で生活していた事です。もし、共稼ぎであれば、願書提出は難しかったかも知 れません。
第３には、ちょうど２人の子供が４才と８才になり、赤子のような病気の心配が少なくなったので、思い切って出願しました。
文部省の面接と誓約書 ９月の体育祭練習のまっただ中、大阪の法円坂教育会館でありました。面接の順番はなんと高知の中で一番最後でした。 「この面接の順番は、県教委の推薦順番で、まず上から３番以内に位置していなければ、派遣は無理である。」この様な、噂を耳にして いたので、面接の順番を見るなり、 「派遣は無理」と自己判断し面接順番が来るまで、梅田でブラブラして時間をつぶしました。
派遣の最終意志表示として文部省宛に、赴任地に関する希望を記入し提出しました。（誓約書提出） 周囲の方は文部省に白紙委任 状を提出していましたが、 私は派遣を望まない地域を記入枠一杯埋めました。例えば、中東・南アメリカ・アフリカ・アジア等 不健康地帯といわれる地域です。 |
白紙委任状を提出しなかったのは、
第１の理由は、治安と子供が病気になったときが心配で、語学の苦手な私にとって、医療が発達している先進国以外は考えられませんでした。 インドのペスト禍を考えますと、この主張は的を得ていた様に思えます。ニューデリー日本人学校の方がパソコン通信で騒動振り をアップしていましたが、マスコミの報道以上に混乱は大変だったようです。
第２には、家族を犠牲にしてまで、海外勤務をする程の強い意志は有りませんでした。 というのは、体育教師の宿命、今まで運動部の顧問生活中心。家庭をかえりみず、家庭 サ−ビスをまったくせず。娘の同級生の保護者から母子家庭と思われていた家庭をこれ以上、悪化させたくなかったからです。（単に妻が怖いだけかも）
第３には、体育教師として、「スポーツ発祥の地で生活をしてみたい」 というやや我がまま動機がありました。 面接は予想通り、この誓約書に関しての質問が大半でした。
余りしつこく質問してくるので、 「プロ野球のドラフトの様に派遣先を 逆指名をする教師がいてもいいのではないか」と応対をして終えました。
その後体育祭当日、生徒と一緒にマット運動実施中アキレス腱断裂。「ブン」という鈍い音があり、右足はブラブラになりました。 学校から養護教諭の車で病院へ即入院・手術、 １１月まで入院生活、 １２月はリハビリのため通院と 結局、２学期は休職しました。このトラブルで海外派遣の件はすっかり忘れていました。
３学期復帰１週間後の放課後、教室で生徒を指導中、校長先生がふらりと教室へこられ、「校長室へ来なさい」と言われました。 旭中学校の１Ｆから校長室のある５Ｆまで校長の後をトボトボ階段を登って行きました。派遣の件は、すっかり忘れていまして、 「復職して間もないから保護者のクレームはないはずなのに．．．」 「パリの内定がきたぜよ．おまんどうするぜよ」（内定通知が来ましたが、返事はどうしますか？） 文部省面接を考えると、どこでどうなったか、私には分かりませんでしたが、当人にとって、この様な予想外（？？） な展開で派遣が決まったわけで す。
教員の中には共稼ぎの方が多くいます。 海外派遣は、全国の教員との３年間の絶好の研修・交流の場となります。 各都道府県も研修の大切さを考慮し帰国後、配偶者が教職に復帰出来るような所が 全国で３４あります。（文部省 海外子女教育課 調べ：朝日新聞 東京版夕刊 '98年3月17日版 ）
しかし、他の１３県に所属する共稼ぎ教員は、この事が相当ネックになっている様です。 派遣中の給料・住居・医療費は文部省が保証するわけですから全国的に、配偶者の復職制度を整備して欲しいものです。
参考になりましたか。なお、誓約書はB4の用紙の左に白紙委任状が、右側に 「派遣を希望しない赴任地があれば記入」 がありました。 某県から赴任した人は、県の選考面接の時「婦人は復職できないがそれでも希望するか」と念押しされましたが、派遣決定後、復職可能との通知をもらったと のです。この様な例もありますので、復職状況については、 流動的な面もあります。なお、上述の新聞記事によれば、文部省は復職できるように指導をしていくとのことです。
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朗報 高知県では、平成13年度の派遣者から、配偶者は休職扱いになりました。東京都から遅れる事、10年でした。 2001年4月7日 |