当てにならないヘッジファンドマネージャーの本(塚口直史)

塚口直史氏の「世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた。」朝日新聞社出版 2017年10月30日 第1刷発行

やけに長ったらしい本の名前である。自己紹介でヘッジファンドとして20年以上、累計総額で数百億円を運用してきた実績がある。(p.3)投資のプロ中のプロと自画自賛している本である。

出版の動機付けは「巷で発行されている資産運用の本を「世の中に出回っている資産運用本のほどんどが、『実際に運用を専門としていない方』によって書かれているためです。」(p.6)

かなり高飛車な上から目線で述べている。

お勧め投資は、ETFと投資信託をすすめており(P.61)、具体の外国株で下記の2本で新興国は無し。先進国のみとなっている。

1、iシェアーズ 先進国ETF-JDR(MSCIコクサイ)(東証銘柄コード:1581)
2、ニッセイ外国株インデックスファンド

ニッセイの商品は当方が読んだ本で皆さんお勧めの商品である。ところが 1581は初めて出合った。何でこの方だけ勧めるのかなあ、さすが名だたるヘッジファンドマネージャーと思って、ググってみた。そうするとあら驚き。平成30年1月22日(月)で上場廃止となっている。SBI証券でポートフォリオに登録しようとしたが出ないはずだ。モーニングスターでスターレーティングを確認しようとしたが表示できない。月末でSIMフリーの高速容量超えをしたため、低速モードが原因と思っていたが、何だこりゃ。

BLACKROCK(iシェアーズETF-JDRシリーズの信託終了(上場廃止)のお知らせ
https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/document-centre/jdr-announcement

BLACKROCKがいつから廃止のコメントを出しているか分からないが、本の出版は3ヶ月前なのに、「世界第3位のヘッジファンドマネージャー」の見立てボロボロ!

イヤ、本当に驚きました。手元に何冊か投資本があるが

山崎元氏の数冊の本/投信の鉄人/朝倉智也氏の著書(Morningstar社長)/中野晴啓の著書(セゾン投資株式会社 社長)/寝かせて増やしなさい(水瀬ケンチ)/竹川美奈子氏の各著書/その他

各書でもお薦めのファンドを挙げているが今のところ「上場廃止」の商品はない。

これって、どう解釈するべきか。世界第3位のヘッジファンドマネージャーでも3ヶ月先は読めないことを証明した貴重な本だろうか。それとも、一般市民の投資知識を愚弄した表れか。

 

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